四川料理は、一般には唐辛子や花椒(山椒の同属異種)などの香辛料を効かせる辛い中華料理として知られます。四川省の中でも成都を本場とします。四川料理は中国各地に専門店が存在しており、「正真正銘・正統派の四川料理」という意味の「正宗川味」という看板をよく見かけます。
酸(酸味)・辣(辛味)・麻(しびれ)・苦(苦味)・甜(甘味)・香(香り)・鹹(塩味)の7つの味で成り立つことで知られます。特に痺れるような辛さを意味する「麻辣」(マーラーmálà)を味の特徴にしており、中国の他の地方の料理に比べて香辛料を多用しています。
これは四川省や重慶市の湿度が高く夏と冬の寒暖の差の大きい気候が関係しているとされます。これとは逆に、宴会料理では、砂糖を大量に使った極端に甘い料理や箸休めが出されることもあります。
内陸という地域性を反映して海産品を食材として使うことは少なく、野菜、鳥獣肉、穀類を主体としていますが、近年は冷凍食品も普及していることから、海産食材も取り入れられています。
成都を本場とする四川料理の代表的な料理はマーポー豆腐、夫婦肺片、宮保鷄肉、タンタン麵、火鍋料理などなどあります。四川料理の老舗は陳麻婆豆腐本店や成都老火鍋などあります。