中国・広西チワン族自治区
中国南西部にあるチワン(壮)族の自治区。区都は南寧市。人口5037万(2021)。チワン族は全人口の約3分の1を占める。
東は湖南、広東、北は湖南、貴州西は雲南省とベトナムに接し、南は北部湾に臨む。地形は、四周を山地に囲まれているため広西盆地と称される。気候は亜熱帯から熱帯気候に属し冬も暖かい。雨は夏に集中する。
北の雲貴高原に連なるため石灰岩地帯であり、カルスト地形が発達しており、天下の奇勝と称される桂林、南寧郊外の伊嶺岩鍾乳洞などの名勝が多い。
広西チワン族自治区・桂林市
自治区北東部の地級市。人口494.6万(2021)。漓江に臨み,石灰岩地帯独特の奇岩の多い景勝地で知られる。古来,中原から嶺南へ北上するに必ず通らねばならない要衝の地で,非常に古い歴史都市である。
長江水系と珠江水系を結ぶ霊渠運河の南の要地として開け、古来、華中と華南を結ぶ交通の要地で、商業の中心地でもある。
古くから「桂林の山水は天下に冠たり」と称えられた絶景の地で、自治区第一の観光地であり、外国人の観光客も多い。市内および市周辺を囲むように石灰岩地域特有の孤峰が林立し、鍾乳洞も発達、世界に類のない奇観を呈する。市の中心部には独秀峰、その北に対峙して畳彩山が聳え、それらの山頂からは眼下に洑波山、漓江を隔てて七星山、月牙山、屏風山、漓江の下流に象鼻山などが一望のもとに望まれる。ほかに蘆笛岩の鍾乳洞も美しい。これらのカルスト地形は2014年に「中国南方カルスト」の構成資産として世界自然遺産に追加登録された。漓江下りも有名である。
広西チワン族自治区・桂林陽朔(けいりんようさく)
自治区北東部の県。風光の美で知られる桂林市に属し、漓江下りの遊覧船の下船地である。人口27.3万(2021)。
岩溶峰林と書くカルスト地形の特徴的な景観で有名で、桂林から陽朔までの「漓江下り」は、世界有数の川下りコースとして知られている。「桂林の山水は天下に甲たり、陽朔の山水は桂林で甲たり」、「桂林の山水は天下一番、陽朔の山水は桂林一番」のように陽朔絶景を絶賛されている。陽朔町は漓江北岸に沿って開け、下船所付近には商店、食堂などが並び、観光シーズンには内外の観光客で賑わう。 |