洛陽龍門石窟/らくようりゅうもんせっくつ(世界遺産)
洛陽の龍門石窟 敦煌の莫高窟、大同の雲崗石窟 天水の麦積山石窟は中国四大石窟と言われます。
観光地名 |
龍門石窟・竜門石窟 |
英語名 |
The Longmen Grottoes |
住所 |
中国河南省洛陽市龍門鎮 |
ランキング |
世界文化遺産登録・国家5A級名勝区 |
入場料 |
90元 |
観光スポット |
西山石窟・東山石窟・香山寺・白園 |
行き方 |
53、81、60路線バス |
開館時間 |
夏季07:30-18:00 冬季08:00-17:30 |
洛陽市内からは、南に12キロ。精緻な仏教彫刻が連なる大きな石窟群として、甘粛敦煌の莫高窟、山西大同の雲崗石窟、甘粛天水麦積山石窟と並ぶ中国四大石窟の一つに数えられる河南洛陽龍門石窟があります。
中原地方へ勢力を伸張しようとする北魏の文帝が、494年に山西大同から洛陽に遷都しました。それと同時に、仏教の持つ倫理性(因果報応、輪廻、涅槃、慈悲)による思想統制をめざして、龍門石窟の造営に取りかかりました。その後も東魏、西魏、北斉、北周、隋、唐、北宋と、歴代王朝が造営を続け、約400年もの長さにわたって仏像が膨大な数になりました。現存する石窟の数は、2345個。仏像の数は10万体にものぼるといいます。
彫刻の中で北魏のものが三割、唐代のものが六割を占めています。北魏の仏像は古拙厳粛な相貌、非写実的な様式でありながらも、雲崗石窟の厳しさがかなり緩和されています。盛唐の仏像は豊満な肉体と写実的な相貌を見せ、健康で充実した力にあふれています。
ゲートをくぐって、右手に巨大な岩山が現れます。ここから最南端の極南洞まで、約1キロもの間にびっしりと仏像で埋まるのです。石窟代表的なものには、『賓陽三洞』『万仏洞』『蓮華洞』『奉先寺』『薬方洞』『古陽洞』などがあります。
北魏の宮廷生活を描写している『賓陽三洞』は中洞、南洞、北洞から構成されています。造営には24年がかかり、80万人もの人々が携わったそうです。賓陽中洞にある釈迦像が秀骨清像様式で、その技法が奈良の飛鳥大仏に継承され、日本人には親しみやすい柔和な顔立ちです。
『万仏洞』は唐の高宗皇帝と則天武后のために彫られたもので、盛唐の様式を示しています。1万5千体もの小仏が壁一面に彫り込まれ、小さなものならわずか数センチです。いつまで見ていても飽きることがないほどに顔立ちがそれぞれ違います。
『蓮華洞』は天井に見事な蓮の花が彫り込まれたことで人の目を引きます。
龍門石窟最大の見どころを誇る『奉先寺』が『蓮華洞』の先にあたり、幅35mと最も大きな石窟で、中央に高さ17m余りの盧舎那仏があります。則天武后をモデルにしたとされる盧舎那仏が、慈悲深く、柔和な顔立ちを呈しています。邪鬼を踏みつける天王像などもみものです。
『薬方洞』には140種類にも達する薬の調合法が記されています。
『古陽洞』では、魏体書法の代表的な作品『龍門二十品』の十九品までを見ることができます。
南側の出口を出て橋を渡れば、対岸の香山へたどり着きます。東山側から今まで見てきた西山の石窟の全景を望むことができます。なお、東山の石窟は唐代以降に彫られたもので、『観経寺』にある飛天が舞う姿や羅漢像のレリーフが印象的です。そして唐代の大詩人・白居易が晩年を暮した香山寺と彼の墓もあるので、見ておきたいです。