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敦煌・莫高窟 紀行 |
2019年9月15日
敦煌飯大店にて
敦煌中心街から車で30分、モダンな建物「莫高窟数字展示中心」に着く。
入館手続きをして劇場に入り、シルクロードと石窟の歴史そして、360度のスクリーンで代表的石窟を紹介する映画を見る。
二日にかけて出かけたので、二回見た。
そこから乗合バスで、砂漠の一本道のかなたに見える、小高い砂漠の山すそへ向かう。
20分ほどで、水のない川沿いの対岸に立つ20m程の壁に、無数の穴が見えてくる。
これは 僧が修行し生活の場とした、243の石窟だそうだ。
壁沿いに歩くと見馴れた三層の17窟「蔵経洞」の前にある、石窟の改札口に着く。
外国人(入場は前日予約制で、外国人の制限人数がある)の受付で、日本語のガイドを待つ。
初日は一人だったが、二日目は若い男女と四人だった。
ガイドが鍵を開け、一人そして四人だけで入室する。
2時間で、公開されている40窟の内の8室ほどを見学した。
石窟は1600mにほぼ三層で492あり、向かって左からそして上へ向け、順に番号があり作られた年代は関係ない。小さいのは50㎝角、大きいのは間口二間ほどもある。
庶民の信仰と帰依により脈々と作られたもので、個人による小さいもの、財を成した者によるもの、僧が信者を集めたものが主だが、96窟の9層楼閣による高さ43mの大仏殿もある。
像は泥または乾漆で、木造はない。 側壁面と天井を埋め尽くす壁画は、細かい像がぎっしりと描かれているものが多いが、等身大の美人画が素晴らしい。
紀元366年一人の僧が掘り始め、涼・魏・周・漢・隋・唐・五代・宋・西夏・元・清に至る11の王朝にわたって、仏教が渡来し生活の礎となる庶民の信仰、各王朝の統治の中で、営々と受け継がれた、時代で表現の異なる 壁画・彫像の芸術が展開する。
ふと 日本の仏教芸術と比較してみる時、薄学ながら少し違いを感じた。
世界最古の木造建築物 法隆寺金堂にある、渡来仏師技術による青銅釈迦三尊像、そして同寺の木造観世音菩薩立像(百済観音)から始まり運慶・快慶へと展開する、木造そして乾漆像の細かな彫刻と繊細豊かな表現の世界は、初期の敦煌美術が日本で進化したものだと思った。
楽狂老人・辻 幸一
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