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中国・雲南省（ちゅうごく・うんなんしょう）
中国西南部の省。4地区、8自治州、15市に分かれ、80県、29自治県が含まれる。省政府の所在地は昆明市。面積39.4万平方キロメートル、人口4690万（2021）、うち3分の1はイ族、ペー族、タイ族など22の少数民族である。
中国における古人類の居住地の一つであり、類人猿の発祥地であり、アジアで発見された170万年前の最古の類人猿が生息していたと言われる。古代、テンの国の境目に属したことから、現在も略称が"テン"となっている。秦・漢代の滇国、唐・宋代の南詔国、大理国が知られる。さらに明代に雲南布政使司が置かれ、清代に雲南省と改められた。
地勢は北高南低であり、北西部はチベット高原に続く横断山脈、東部は雲貴高原、南部は元江、瀾滄江などの河谷平原で、平均標高は500m前後である。また高原上は石灰岩地帯であるためカルスト地形が発達し、路南石林がその代表である。
地形が複雑で、南部の低地では亜熱帯性気候もあれば、北部の高山地帯では亜寒帯性気候もあり、気候も多様である。このため、動植物相が豊富で、特に園芸の分野では新種の花卉の産地として知られる。
雲南省・昆明市
中国南部、雲南省の省都。省のやや東部寄り，雲貴高原の中央部、同省中部の滇池北岸に位置する。人口850万（2021）。年平均気温は約15℃で、春城（常春の町）と呼ばれる。年降水量は約920ミリメートル。藤沢市と姉妹都市提携を結んでいる。
古くは西南夷の地で，秦、漢代昆明夷、唐代南詔国、宋代大理国の拠点となり、元代に中国の版図に入って昆明県が置かれた。
市街には、南詔国時代の仏教建築である東寺塔と西寺塔、円通寺、清末の雲南陸軍講武堂などの旧跡や、雲南の民族文化を展示する雲南省博物館、昆明世界園芸博覧園、翠湖公園などがある。郊外には、石林、滇池、西山竜門、石寨山古墓などがある。なかでも石林のカルスト地形は、2007年ユネスコにより「中国南方カルスト」の構成資産として、世界遺産の自然遺産に登録された。
雲南省・麗江市（うんなんしょう・れいえし）
中国雲南省西北部の市。人口125万（2021）。市の北部に標高5596mの玉龍雪山が聳え，長江上流の金沙江が流れる。標高2400mの麗江古城は，明代まで少数民族ナシ族木氏の世襲する王都で，旧市街は水路が縦横に走り，古い街並みが良く保存されている。茶葉古道の要衝として発展した。ナシ族のほか，リス族，ペー族，イ族などの少数民族が居住し，少数民族の人口が多い。
ナシ族が作り上げた旧市街が1997年に「麗江旧市街」としてユネスコ世界文化遺産に登録された。
雲南省・大理（うんなんしょう・だいり）
古代の大理国の中心地。中国雲南省北西部にある都市。人口77万（2021）。雲南省からチベット・ビルマに通じる交通の要衝で，経済の中心地。漢代の西南夷の地、唐代の南昭国、宋代の大理国の首都。今の雲南省大理付近にタイ族白蛮に属する段氏が建てた国。今でも大理古城が残っている。
付近から採れる結晶質石灰岩は大理石の名をもって知られ，また蒼山，洱海,崇聖寺三塔などの景勝地を控える。
雲南省・シャングリラ（香格里拉）
中国雲南省北西部、長江水系の金沙江支流に沿いチベット族自治州迪慶の州都。旧称は中甸。英国の作家ヒルトンの小説「失われた地平線」に描かれたチベット山中の理想郷に由来する。人口18.6万（2021）。
横断山脈の谷を伝ってチベットに通じる交通路上に位置し、雲南の茶とチベット高原の毛皮との交易地の一つとなっている。付近の特産物として、鹿茸、じゃ香、貝母、冬虫夏草といった漢方薬材の集散地でもある。ソンツェリン寺、虎跳峡などの名勝・旧跡がある。世界自然遺産、三江併流（長江・メコン川・サルウィン川の上流部）への玄関口。
雲南省・シーサンパンナ（西双版納）
中国、雲南省の最南端部にあるタイ族自治州。ラオス，ミャンマーとの国境に接する地域のタイ･ルー語による呼称。景洪市と勐海、勐臘の2県からなる。人口130.6万（2021）。タイ･ルー族の約21万人をはじめ，タイ系民族が多く住む。
瀾滄江流域の平野は水田地帯であり、自治州の中心をなすタイ族の居住地である。現在は茶の栽培地が広がっている。そのほか平地ではバナナ、コーヒーなどの亜熱帯作物の栽培が盛ん。原始林には、ゾウ、サイ、テナガザル、クジャクなどが多く生息する。また、シーサンパンナじゅうたんの生産で有名。
シーサンパンナでは毎年 4 月 13 日から15 日まで伝統的なタイのお正月行事「ソンクラーン（水かけ祭り）」を行い、新年を迎える前、旧年の汚れや苦しみを水で洗い流すという意味を込めて、水を掛け合う。

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