半坡遺跡博物館は西安市の市街地から東キロ離れた産河の東側にあり、黄河流域における比較的に完全に整った典型的な母系氏族集落遺跡です。六千年ぐらいの歴史を持っています。黄河文明の仰韶文化は名前の由来の仰韶遺跡が本家本元ですが、1953年に西安郊外で発掘された「半坡遺跡」はその環濠集落跡と発掘された土器の見事さ、そして何より、遺跡そのものを体育館のような大きなドームで覆って保存という試みを中国で初めて行った博物館です。
半坂遺跡は面積が5万平米で、居住区と墓葬区に分かれています。1952年に発見され、1954年から1957年にかけて5回にわたって発掘を行いました。発掘面積は1万平米ぐらいにも達しています。住居跡46 箇所、窖穴200以上、墓葬遺構247箇所(成人用174、子供用73)、陶窯遺構6箇所を調査し、1万点以上の遺物が発見されました。中国で初めて発見された大規模旧石器時代の環濠集落跡です。
発掘作業で大量の彩色陶器が出土され、特に「人面魚紋彩陶盆」は、その出土品の代表作です。古代の半坡人は、多くの彩陶盆に魚と漁網の文様を描いています。当時のトーテム崇拝と経済生活に関連していることです。渡邊素舟氏はこうした人面魚紋の存在を「これは人間 も魚と同じように水中を泳ぎ まわることが自由にできるという、人間の希望のアイデアを 象ったものであろう。」と述べています。
西安半坡遺跡博物館は東の郊外にある西安兵馬俑博物苑と華清池へ行く途中に位置していて、兵馬俑、秦陵、華清池と日帰りで見学に行けますので、どうぞご活用ください。