陝西歴史博物館
陝西歴史博物館(せんせいれきしはくぶつかん)は大雁塔の西北にある博物館で敷地面積2万坪もあり、周恩来元総理大臣の提案によって1991年に開館しました。四合院造りという伝統的な民家の建築様式と唐代の宮殿造りを融合した形で建設されました。11万3000点の収蔵品のうち、3000点のみの逸品が常時公開されています。一つたりとも見逃せないものばかりで、見学時間は最低2時間が必要です。館内にはトイレや休憩室などの設備も整っており、ゆっくりと鑑賞できます。
正面のホールに入ると、高さ3.1mの巨大な石獅子が目に飛び込みます。則天武后の母親の墓から運ばれてきたもので、その豊満な造形は唐代の美意識を十分に表現しています。
展示室は年代別になっており、第一展示室は先史時代から秦代までの文物を展示しています。先史時代の土器と周代の青銅器はデザインが多彩で賑やかです。秦の始皇帝陵から出土した等身大の兵隊と馬の埴輪もあります。
2階第2展示室は漢から魏晋南北朝にかけての展示室です。動物や幾何図案が精巧に彫り込まれた漢代の瓦、秦代に比べて体が小さく見える漢代の兵馬俑、少数民族の顔をする魏晋南北朝の埴輪、仏像などが見物です。
2階第3展示室は隋・唐から清代までのものを陳列しています。ここでは金銀細工や陶磁器、壁画など、栄華を極めた唐代らしい逸品が並びます。そして西域の商人や芸能人の顔をする唐三彩、西の国々から伝わってきた瑠璃など、エキゾチックな雰囲気が漂います。なお、宋代以降の陶磁器も見事です。